裁判所は大忙し、事件は1日に1万5千件

テレビ番組では裁判官や検事が事件を綿密に調査しているのですが、実際は違うようです。

 

司法統計によると、平成30年の全事件数は362万件余りです。行政機関の営業日は年間245日ですから、1日当たり1万5千件の事件が持ち込まれているわけです。内訳は、民事事件が155万件、刑事事件が94万件、家事事件が107万件、少年事件が6万6千件となっています。意外に刑事事件も多いのですね。

 

 

山口地裁
山口地裁

日本の裁判は三審制で最初の判断に不服があれば控訴できる仕組みです。

最終判断する最高裁は日本に1つだけです。二審目の高等裁判所は全国に8つですが、支部が6つあるので14カ所です。

 

最初の訴えを受けるのは地方裁判所(本庁50+支部203)、家庭裁判所(本庁50+支部203+出張所77)、管裁判所(438)の合計1021です。

裁判所が1000以上もあるとはなかなか気づきにくいところです。意外にたくさんあるわけです。

裁判官の数は、最高裁15人、高裁長官8人、判事・判事補など合計3750人です。

 

それでも、1日当たり1万5千件が持ち込まれるのですから、1裁判所当り1日10件、1人の裁判官当り1日4件の訴えがあるわけです。

もちろん、大半の事件は右から左で処理できるのかも知れませんが、尋常ではない感じがします。日本も十分に訴訟社会ですね。

 

私もこれまで数件の訴訟に関わりました。日本では東京地裁と福岡地裁です。大きな裁判所ということもあって、門前市を成すとまではいきませんが、結構な人数が廊下で並んでいます。

合議制の裁判では原告の陳述場面では、年配の裁判長が居眠りとまでは言いませんが、発言を聞かずに上の空ということもありました(裁判の判決は陪席の若い裁判官が書きます)。裁判所の廊下では、顔見知りの弁護士さん同士が、裁判官の性格や評判などを噂しあったりしています(民事はたいてい裁判官が調整して和解になります)。

 

そろそろ、一部の訴訟にはAIを導入してオートマチックに判断することを考えたほうがいいような気がします。