家船という住み方があった

今日は「海の日」の祝日です。昔は、海の上に住んでいる人がいました。

 

私が生れた町の近くでは50年前にはまだ家船で生活している人がいました。薄っすらとした記憶ですが、水上生活を続けさせるのはいろいろ拙いということで、市が住宅を建てて住むように促したので、半分水上で半分陸上の生活だったように覚えています。

 

セーヌ川の水上生活
セーヌ川の水上生活

瀬戸内海の家船は元々はその船で漁をしていたわけです。家族が乗った船で海に出て、網を打って魚を獲って、港に戻ってこれを商いしていたのだと思います。

漁の様子はわかりませんが、子供の頃には、リヤカーに魚を積んだ行商のおばちゃんが毎日魚を売りに来ていました。

 

家船ですから、漁を求めて停泊地を変えることができるのがメリットでしょうが、実際は本拠になる港はもちろんあって、決まった漁浦に船をつけて生活をしていたと思います。

50年前ですと、もう家船といっても漁にでるのではなく漁浦に停めたままで、セカンドハウスのように使っていた人が多かったように思います。

 

ときどきテレビなどで紹介されるのですが、ヨーロッパには多くの水上生活者がいます。パリのセーヌ川やアムステルダムの運河に浮かぶ船は、ホテルや博物館などにも利用されていて、観光名所にもなっています。多くが全長20mを超える平船で、豪華な調度が備わっていて、優雅な生活をされているように見えます。日本の家船とは様子が違いますが、水上生活であることには変わりありません。

 

世界にはキャンピングカーで各地を回りながら生活しているシニア世代の夫婦も多いようです。海に囲まれた日本には、美しい海岸線に優良な港がたくさんあります。それらの港をハウスボードで回りながら生活できるような環境整備をしてみたらどうでしょうか?

水や電源などインフラを提供できるような停泊地を全国に整備して、2人用~家族用のハウスボードを開発するのです。

 

キャンピングカーは道路を走らないといけないので、どうしてもコンパクトになって狭くなります。その点、海を行く船なら余裕があります。クルーズブームも相まって船上で寝起きした経験のあるシニアも増えています。

意外に大きなマーケットになって、地域振興にも役立つような気がするのですが、どんなもんでしょうか?全国のいくつかの港町が提携して、停泊地をネットワーク化するなどアイディアはいろいろありそうです。