GAP「安全な農産物」とは何か?

GAPとはGood Agricultural Practice(良い・農業の・やり方)のことです。

 

農水省はGAPを「農業生産工程管理」訳しています。現代において持続性のある農業をおこなうには、食品安全、環境保全、労働安全、人権福祉、農場運営などで事故や不具合が起こらないよう予防や再発防止に取り組むことが大切です。農業経営の基礎土台としてGAPという仕組み・考え方があります。

 

キャベツ畑
キャベツ畑

GAPは農業生産工程管理の適切性を認証する仕組みでもあります。第三者による審査を受けて、農場が適切に運営されていることを確認します。

 

日本で使われているGAPは複数あります。

最もお馴染みなのが”JGAP”です。JGAPは、日本の農家が本来守っていなければならない法律(食品安全基本法、食品衛生法、農薬取締法など)や指針(農薬飛散低減対策指針、県の標準施肥指針など)、輸出基準(相手国の法律含む)、社会規範などを農場が満たしているかを判断します。

 

世界的にはGFSI(Global Food Safety Initiative)が認めたGAPの通用性が高くなっています。GFSIはウォルマート・イオン・テスコ・マクドナルド・コカ・コーラなど国際的に食品産業に携わる企業が集まる組織の食品安全部会です。

JGAPは日本の法律がベースなので少しだけGFSIの基準に不足するところがあります。そこで、輸出をおこなう農場の場合はJGAP+GFSIの要求を追加して認証を取ります。

これを”ASIAGAP”といいます。アジアとありますが、日本GAP協会が運営するGAPです。

 

オリンピックやワールドカップなど大きな国際大会があると、農産物の安全が話題になります。GAP認証が国際的な要求事項になっています。

日本の農業が工業や商業に比べて工程管理が十分でない部分があったことも事実です。適切な工程管理をおこなうことは顧客である流通業者・食品産業・最終消費者のためになるだけでなく、農業事業者の収益向上や安全作業にも貢献します。

 

最後に、表題にある「安全な農産物」とは何か?ですが、JGAPでは「食品衛生法」を遵守している農産物です。シンプルです。