寒鯉はしづかなるかな鰭を垂れ

冬になってから仕事で広島市を訪問する機会が増えていますが街が静かです。

 

思い返せば、秋までは広島市内はカープの快進撃で赤く染まっていました。広島駅周辺ではカープのユニフォームを着た人々の喧騒が続いていたように思います。それがすっかり退いてしまって穏やかな街に戻った印象です。

 

モネの池の鯉(関市の方のブログより)
モネの池の鯉(関市の方のブログより)

鯉は魚のなかでも長命で、20~50年生きます。観賞用の鯉でも平均で30年くらいも生きるそうです。

最も長命だった鯉は、岐阜県白川村で飼育されていた花子です。ギネス記録に認定されていて、なんと226歳まで生きたのです。鯉の年齢は鱗をみると正確にわかるので、どうも確かなことのようです。

 

冬になると鯉は冬眠します。冬眠といっても完全に寝ているわけではありません。

鯉は秋が訪れるとたくさん餌を摂って太っていきます。そうして、冬になって水温が下がると、逆に餌もほとんど摂らないで池の下のほうでおとなしくしているのだそうです。

春になると再び活発な活動を開始して、夏には元気いっぱいに泳ぎ回ります。

 

こういう四季のサイクルが鯉が長命である理由なのかも知れません。ずっと、元気いっぱいでは長続きしませんね。

オフシーズンも広島カープはいろいろな話題を提供してくれていますが、ここは鯉を見習ってじっくり休むということだと思います。今年の4連覇はもちろんですが、ずっと長い永い間に渡って、広島の街に素敵な四季を巡らせて欲しいものです。

 

表題の句は、水原秋櫻子の作です。ちょっと良いです。