ヒューマンエラーを防ぐのは管理と環境

今日一日、一つの見間違いも聞き間違いも勘違いもしていないという人はいないでしょう。

 

人間は間違うものです。間違いには、事実を間違って認識する間違いだけでなく、気を利かせすぎてやりすぎたり、ぼんやりしていて意識せずに体が動いたり、勝手に省略したり、記憶が間違っていたり、疲れて居眠りしたり、まぁいろいろあります。

 

人は知っていても間違う
人は知っていても間違う

右の絵をみて、直線の長さが全て同じであることは誰でも知っています。だから、尋ねられるとみんな同じだと答えます。しかし、これが日常生活の中で突然に出てくると必ず間違えます。

 

人を教育して間違わないものにしてください。と、お願いされてもそれは難しいです。

できることは、KY(危険予知)活動や指差呼称などで、要所要所でエラーに気付くように意識レベルを上げるようにすることなどですが、やはり限界があります。大昔なら、覚せい剤のような薬で意識レベルを無理やり高めるなんてこともあったようですが、副作用が強すぎます。

 

ヒューマンエラー防止はやはり管理と環境です。

 

管理というのは、ミスをしない設備装置・ミスし難い作業方法・ミスしたらすぐ気づく仕掛けなどいろいろあります。

管理の中では、標準化を進め、標準化を遵守させるということが重要です。わかりやすく・やりやすく・気づきやすい方法をとらせることでヒューマンエラーを減らします。

管理のなかには、健康管理やメンタルヘルス管理も含まれますし、ミスを隠さないで積極的に共有し再発防止につなげる職場風土も大事です。

 

また、環境(作業環境)もとても重要です。暗い、汚い、危険の3Kはもちろん、うるさい、暑い寒い、臭い、振動がある・・、ようなところでの作業では、エラーは頻繁に起こります。作業環境の改善に取り組むことがヒューマンエラーの防止につながります。

環境が変えられないとしたら、使いやすい保護具の利用とか、騒音職場でのイヤホン利用、暗い作業環境でのヘッドライト利用、など道具でカバーすることも可能です。これらの道具や用品は近年非常に進歩しています。最初は少々いかがわしく感じていた空調服など、非常に使いやすくなって普及しました。

 

ヒューマンエラーに困られているなら、ポカヨケの改善提案を集めるといったところから始めてはどうでしょうか?