日本でパチンコが盛んなのは治安がいいから

IR法案に絡んで「日本人のギャンブル好きは、パチンコ屋の多さが物語る」と言われました。

 

パチンコ店
パチンコ店

この説は明らかに間違っています。日本人が特別にギャンブル好きな国民かと言えば、そうではないです。

アメリカ人のギャンブル好きはよく知られていますし、ヨーロッパでは王族の私生活まで全てが賭けの対象です。アジアの国々でも民営賭博は盛んですが、もちろん公式の統計はありません。

 

私自身はパチンコしませんし、25年以上パチンコ屋さんに足を踏み入れたことがありません。実態を知らないので、あまり偉そうなことは言えないのですが、空想を交えての感想です。

 

そもそも論でいうと、パチンコという遊戯は存外うまくできています。

1人で気ままに遊べて、時間も服装も気になりませんし、老若男女(18歳以上はありますが)誰でも、体力や知力に関係なく遊べます。更に、運+実力というゲーム性も豊富で、面白そうな仕掛けがたくさんあるようです。確かに依存症で家庭崩壊という例はあるものの、多くの方の場合はそれなりの金額で楽しんでいるようです。

この楽しさの源はパチンコホールの施設にありそうです。絢爛豪華(安っぽい感じも含めて)で、にぎやかで、孤独なような仲間がいるような不思議な空間です。

 

つまり、日本以外の国の人でも、パチンコは結構楽しめる娯楽だと思います。

パチンコが外国に無いのは、日本のようなホールをつくることができないからです。アメリカでもヨーロッパでも、もちろんアジアの諸国でも、街なかでパチンコホールが安全に運営されるとは到底思えません。繁華街に、出入り自由の空間で現金(相当物)が剥き出しで置いてあります。景品交換所に至っては、緩いセキュリティーで何百万円?の現金があるわけです。これは日本以外では無理でしょう。

 

そんなパチンコですが、参加人口は減少を続けています。

平成28年は940万人まで減っており、3000万人を超えていた最盛期からは1/3未満です。

但し、売上貸し玉料は21.6兆円で、最盛期35兆円からは35%減で止まっています。つまり、ヘビーユーザーがパチンコ産業を支えているわけです。

 

今後、カジノ解禁に向けてのギャンブル依存症対策は、このパチンコ・ヘビーユーザーに向かっていきます。新たな規制なども強化されるでしょう。現在のパチンコ産業は緩やかな衰退ですが、この対応を誤ると急激に縮小する可能性もありそうです。ちょっと、目が離せません。

 

実は、私のいた会社は磁気記録材としてのフェライトを製造しています。わかりやすいのは、JRの切符の裏面に塗ってある黒い塗料です。

1990年代のパチンコ業界への規制で、プリペイドカード制が導入されたことがあります。この年、我が社のフェライトは爆発的に売れて、業績もよかったです。ボーナスもたくさん出たので、パチンコファンの方には足を向けられない、と拝んでいました。