多くの工場では「改善提案」活動を、何十年も続けておこなっています。たいてい、1件当たり500円とか1000円とかの報奨金が出ます。
テーマは何でもよくて、とにかく何か現状を変えることができそうなものであれば、提出しただけで500円です。
独創性はほとんど不要で、他所でやって効果が出たものをパクっても構いません。もっと言えば、やっても効果が出るとは限らないアイディアでも構わないのです。
ところが、改善提案はあまり出ないのです。多くの企業では、月に1人当たり1件でればよいほうです。
報奨金制度をつくった当初は。会社側は出費が嵩むのではないかと戦々恐々したものですが、結果として何の心配もありませんでした。
1人当たり月500円の出費は、普通の会社では誤差範囲です。
そこで、もっと改善提案を出してもらうために、社長とか部門長が提案者に直接褒めてまわるというような活動もありました。確かに、いつも会うわけではない上席の役職者から直接褒められるとモチベーションは上がります。人は金では動かない!というわけです。
しかし、その上役の時間を拘束することの機会損失というコストのほうが大きい ので、この活動を続けると業績が悪化していきます。
人は金では動かないかも知れませんが、会社は金でしか動けないのです。
改善提案を毎日1件提案すれば、500円×22日=11,000円です。結構なおこずかいになりますよね。周りの人に嫉妬されるかも知れませんが、お金をモチベーションにしてどんどん出してみればいいと思います。
会社としても、決して拒まず、たくさん出す人を称賛するのです。100・200・300と出てきた提案のなかには、1つか2つはグッドアイディアが隠れているものです。
逆に言えば、それぐらい考えていかなければ良い考えは浮かばないということです。
会社によっては資格取得の報奨金が出ると思います。仮に、1000時間勉強して中小企業診断士の資格をとっても、10万円の報奨金くらいでしょう。
改善提案をどんどん出すのは、比較にならないくらいお得です。