【日曜連載】中小企業診断士試験合格への道標⑮

連載第15回目です。「経営法務」の2回目について書きます。

 

ビジネス資格に兆戦
ビジネス資格に兆戦

経営法務の試験問題は、長文の会話文が半分くらい出ます。昨年は、問題21(解答は25)のうちで、会話文が8(解答12)でした。

 

問題と解答群を合わせると、1枚に収まらないものが多いです。試験時間は60分しかないので、文章が長いのは面倒ですよね。

 

昨年の会話文形式の問題で1枚で収まったのは2問だけ(第10問と11問)だったので、そのうちの一つ、第10問を載せてみます。



まぁ、そもそも何故に会話文で設問をつくらなければならないのか?という疑問がありますが、出されるものは仕方ないので、素直に対応せざる得ません。

 

さて、毎度お馴染みのキーワード・チェックをしてみますが、『立体商標』と『識別性』の二つくらいしかありません。

 

『立体商標』 立体的な形状(商品、商品の包装、営業を提供する建物等)について商標として認めたものです。

元々商標とは平面のものだけだったのですが、国際的に立体商標が認められるようになってきたことから、日本でも1997年に導入されました。更に、2015年には、音や色彩も商標として認められるようになっています。今年の試験には、こちらが出るかも?

 

音の商標には、大幸薬品の正露丸のラッパメロディー、インテルのサウンドロゴなどがあります。

☞ 音の商標  大幸薬品株式会社

  

色の商標には、トンボ鉛筆の消しゴムの青白黒、セブン―イレブン・ジャパンのオレンヂ緑赤、の組み合わせなどがあります。

立体商標として問題に出ている清涼飲料水と乳酸菌飲料は、コカ・コーラとヤクルトのことです。

 

もう一つのキーワードは、『識別性』です。これは、需要者が何人(なんびと)かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるという意味です。

次に、前回お奨めしたように「e-Gov法令検索」で法律の原文に当たってみましょう。

 

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商標法第2条

この法律で「商標」とは、人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。

一 業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの

二 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの

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先ず、商標とは何かが書いてあります。ちゃんと、立体的・色彩・音が入っていますね。

 

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第三条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。

一 その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

二 その商品又は役務について慣用されている商標

三 その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

四 ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

五 極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標

六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標

 

2 前項第三号から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。

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次に、商標として登録できないものを書いてあります。逆に言えば、これ以外は登録できるわけです。

登録できないのは、普通名詞・慣用的に使われる・産地や効能をそのまま使うといったものです。また、識別性がないものは認められません。しかし、ありふれていても識別性があれば認められます。

 

商標そのものに創造性は不要で、必要なのは識別性になります。

例えば、「アップル」という商標のパソコンは認められます。識別できるからです。

しかし、林檎に「アップル」という商標をつけても登録できません。もちろん、識別できないからです。

 

さて、問題に戻って、解答群を見てみます。

解答群の違いは

➀ アとイ 「容器の形状が創作性を有し」、ウとエ 「容器を使用した結果」となっている。

② アとウ 「需要者」、イとエ 「同業者」です。

 

先に②のほうが選択しやすいですね。商標で同業者は関係ないですから、とりあえずアあるいはウのいずれかが正解です。これで、確率50%になりました。

 

➀のほうは引っかかりそうですが、商標は特許ではないので”創造性を有し”ていなくても構いません。つまり、アとイは正解ではなさそうです。

この結果、正解はウです。

 

知的財産もそうですが、全般に関わり合いがない法務を理解するのは大変です。

地道に、毎日のすき間時間にテキストを読み込んでおくのが近道でしょう。

 

ところで、当社の「ワライト」も商標登録しています。

登録までの顛末は以下のブログを参照ください。

☞ 2016/03/04 ワライト® ・・ 登録商標です

 

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コメント: 1
  • #1

    石井 (水曜日, 18 4月 2018 01:30)

    日曜連載ありがとうございます!
    (すっかり週の半ばになりましたが・・・)

    いつもながら、先生の解法はとても勉強になります。

    ・用語の定義を覚える
    ・問題を身近な例に置き換える
    ・出題の意図に照らして正答を選ぶ
    これができれば正解数を増やせそうです!

    まだまだ全般的に知識はあやふや(特に法務・・・)
    なのですが、残りの時間をフル活用し試験に望みます。

    次回更新も楽しみにしております!