温暖な地域の方が冬の死亡増加率が大きい

冬場になると心臓疾患などで亡くなる人が増えますが、その増加率の分布が意外です。

 

都道府県別冬季死亡増加率
都道府県別冬季死亡増加率

冬季死亡増加率の低い都道府県ランキングです。

1位北海道

2位青森県

3位沖縄県

4位新潟県

5位秋田県

3位の沖縄県を除いて寒冷な地域で冬季死亡率は低くなっています。

山口県は14位です。

ワースト5は、栃木県・茨城県・山梨県・愛媛県・三重県です。

 

出典 ☞ 断熱改修等による居住者の健康への影響調査 国土交通省

 

全国平均の冬季死亡増加率は約17・5%です。寒冷地である北海道が10%の増加率で、温暖かどうかは微妙ですが寒冷地ではない栃木県が25%という結果です。

ヨーロッパの国別統計でも同様な結果になっていて、寒冷なノルウェー(北欧)やドイツの冬季死亡率増加は10%程度で、逆に高いのはポルトガル・スペイン、ギリシャなどです。

 

つまり寒冷な場所ほど、室内を暖かくするなど冬への備えがしっかりできているというわけです。高断熱住宅の普及率は、北海道や青森では60%を超えていますが、九州では10%未満です。健康とともに省エネにもなるので、高断熱住宅の普及を図っています。

 

 

冬季の健康に重要な知見が4つ記載されています。

1.朝の室温を保つ。寝起きの室温が10℃下がると、血圧が7.3㎜Hg上がる。

2.高齢者ほど室温と血圧の関係は顕著。80歳代では10㎜Hg/10℃を超える。

3.住居を断熱改修すると血圧も下がる。

4.平均室温18℃未満の住居では浴室事故が増える。

⇒ 家庭の浴槽での溺死者数は4,866人で、交通事故死数4,113人より多い。

 

瀬戸内で育った私たちは、風も吹かない蒸し暑い夏を快適に過ごすという視点でしか住居を評価しない傾向にあります。ちょっと、考えないといけませんね。