若者はサンデルを学んだから反リベラル

Q)何故、最近の若い人は保守的傾向が強いのか? A)若者はサンデルを学んだからです。

 

マイケル・サンデル(ハーバード大学教授)
マイケル・サンデル(ハーバード大学教授)

ある人から、「最近の若い人は保守的傾向が強いのは何故か?」と尋ねられました。どちらかと言えば、批判的なニュアンスです。

私の答えは、「若者はマイケル・サンデルを学んだから」です。どうでしょうか?

 

今の30歳未満の人で、マイケル・サンデルを知らない人は少ない(逆に30歳以上で、サンデルを知る人はかなり少ない)と思います。

サンデルが出演(講義)する「ハーバード白熱教室」は、2010年からNHKのEテレで放送されて熱狂的な支持を受けました。

 

この講義の冒頭。最初の質問は有名です。

「君は路面電車の運転手で、時速100キロの猛スピードで走っている。君は行く手に5人の労働者がいることに気付いて電車を止めようとするが、ブレーキは効かない。君は絶望する。そのまま進んで5人の労働者に突っ込めば5人とも死んでしまうからだ。ここではそれは確実なことだと仮定しよう。

君は何もできないとあきらめかける。が、その時、脇にそれる線路待避線があることに気付く。しかし、そこにも働いている人が1人いる。ブレーキは効かないがハンドルは効くので、ハンドルをきって、脇の線路に入れば、1人は殺してしまうけれども、5人は助けることができる。正しい行いはどちらか?あなたならどうする?」

 

ここで、サンデルの主張する政治哲学を説明する能力はありませんが、共同体主義(コミュニタリアニズム)は自由民主主義の枠内にあって自由主義(リベラリズム)と対抗する考え方であることは確かでしょう。サンデル世代とサンデル以前の世代で政治に関する考え方が違うような気がします。

 

以下のウェブサイトが詳しいです。サンデルを知らない30歳以上の人は、一度眺めてみるといいと思います。 ☞ VisuaLecture(日本語)