防衛ラインはどこに引かれるのか?

北朝鮮がミサイルを乱れ打ちするようになってきました。近い将来、どうなるでしょうか?

 

北朝鮮が日本列島上空にミサイル発射
北朝鮮が日本列島上空にミサイル発射

朝鮮戦争は戦争と名付けられますが、南北朝鮮の主権争いという位置付けから、国際紛争というのが正しいようです。韓国も北朝鮮も、当時は互いに半島の統一を目指していたわけです。この考えは、今も基本的には変わりません。

 

この紛争は北側にソ連と中国が加担し、南側にアメリカが参加したことで膠着状態になります。

その結果、1953年に連合国(事実上はアメリカ)と朝鮮人民軍(事実上は中国)との間で休戦協定が結ばれました。

あくまでも休戦ですから、この紛争は終わっておらず、現在に至るも続いています。更に、韓国はこの休戦協定の調印者ではなく、北朝鮮は1994年にこの休戦協定から脱退しています。

 

北朝鮮の主張は、朝鮮半島全部の主権は北朝鮮(すなはち、金正恩)にある。これをアメリカが認めるなければ、核とミサイルによって攻撃をすると言っています。

これは、現在のところアメリカの防衛線は朝鮮半島の38度線以南と日本海・沖縄・台湾のラインですが、少なくとも朝鮮半島は線外にしろということです。日本は平和安全法制の議論でもあったように、朝鮮半島はもともと防衛ラインの外で、日本海・沖縄のラインですから、一応は同じことです。

 

しかし、今回の北朝鮮のミサイル発射は中国とロシアの経済的・技術的な支援を受けていることが明らかです。日本列島の上空を通過したミサイルですが、アメリカの応対は「北米に脅威ではない」と発表して静穏です。

 

こうなると、中国のかねてからの主張のように、アメリカの防衛ラインがグアム・ハワイまで後退するのではないかと不安が募ります。

その場合、日本が自国の安全を守りきるのは難しそうです。周辺海域の権益などは放棄するようになるかも知れません。国民活動に多くの制限がかかる事態になったときに、我々はどのように対処すればよいのでしょうか?本当に悩ましいところです。