お盆に祖先と一緒に過ごす

お盆という習慣はインドで発祥して中国を経由して日本に伝わりました。

 

六本木の盆踊り
六本木の盆踊り

お盆には亡くなった祖先が現世に戻ってきます。

元々は、陰暦の7月15日がお盆(盂蘭盆)です。昔のインドでは、雨期の間は外で活動ができずに家に閉じこもっていたそうです。その雨期が終わり屋外での活動が再開できるのがこの頃です。

僧侶にお布施をして、祖先を呼び戻してもらうという儀式が行われたようです。

 

ちなみに、諸説あるのですが「盂蘭」は精霊のことで、「盆」はそのまま供物を載せる容器のことだそうです。祖先を迎えるためのお供えを載せたお盆ってことです。

 

日本に盂蘭盆が伝えられたのは古代のことです。

大坂の「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産登録申請が話題になっているように、日本では昔から墳墓がつくられていました。これは皇族や貴族に限らず、一般の民衆も同じで、縄文時代や弥生時代の遺跡にも墓所があります。

元々あった祖先崇拝の習慣と「盂蘭盆」が合致したということでしょう。

 

盆踊りは今では地域のイベントになっていますが、元々は盂蘭盆の翌日7月16日の夜に行われるものです。陰暦の16日ですから月が大きく明るいので、夜通し踊れます。現世で悪行を働いた亡者たちが、地獄での労苦を免れて喜んで踊っている様子を再現していると言われます。

 

日本人は死んだ人には罪がないと考えます。日本人は古代から時空を超えて物事を見るようです。その時、その場で、何をしたかということの善悪の判断をすることはできないと考えます。どんな人にも善はあり、悪の部分をみる必要はないわけです。