この局面での最善を尽くす~藤井聡太四段

史上最年少でプロ棋士になった藤井聡太四段が25連勝を記録しました。大変な人気でニュースやワイドショーなどでも盛んに取り上げられています。

 

将棋の駒(菱湖のウエブサイト)
将棋の駒(菱湖のウエブサイト)

藤井四段については、既に多くの紹介がされていますので、今更の気がしますので簡単に・・・。

 

ポイントは、藤井四段が今も中学3年生の14歳だということ。

これまで、中学生でプロ棋士になったのは、加藤、谷川、羽生、渡辺の4人しかいませんから5人目です、そのなかでも14歳2か月でプロ入りした藤井さんは最年少記録です。

 

四段になるには三段リーグで抜群の成績を上げる必要があります。実は、三段リーグを抜けるのが至難のことで、多くの有望な若者が突破できずにプロ棋士になるのを諦めます。しかし、藤井四段はこのリーグを1年で1位通過しました。これも史上4人目です。

 

もっと凄いのが、プロ棋士や名だたる詰将棋作家が参加する「詰将棋解答選手権」で小学校6年生で初優勝して、現在まで三連覇中です。この選手権の問題はとてつもなく難しいので、トッププロでもなかなか正解にはたどり着きません。小学生が優勝するなど、全く思いもよらない快挙でした。

 

既に「藤井聡太名言集」のようなものが話題になっています。インタビューの受け応えもしっかりしていて、たいして推敲しなくても、そのまま名言集に掲載できそうです。そのなかから変ったところで、「美術や工作は苦手。最善手がないから。」というのがあります。

 

藤井四段は常に、どの局面でも最善手を見つけることにとことん集中しているようです。将棋、特にプロ高段者の勝負では全体の勝負の流れを大事にします。戦略に一貫性を求める方が、勝率が高まるということでしょうか。数手前に動かした駒が働かないような場面では、「駒の顔を立てる」ための手を指したりもします。相手も同じ考え方であれば、確かにそうなりそうですが・・。

 

藤井四段は過去の流れは無視して、その局面での最善手を探し出す天才のようです。AIが名人に勝利しましたが、まさにその局面での最善手を探し続けた結果です。

過去の経緯に過剰に囚われることなく、また過去の結果である現状に不満や愚痴を言うのではなく、常に現局面での最善手を考え抜くことが大切ですね。

 

それにしても、この連勝は誰が止めるのだろうか??