ピーク・エンドの法則。お尻の穴に綿棒?

知り合いの若い女性から、何もない物置小屋に連れていかれて、机に両手を置いて下半身を露出させられ、お尻の穴に綿棒を入れられたという話を聞きました。 

  

ダニエル・カーネマンは、イスラエル生まれのアメリカ人ですが、行動経済学でノーベル賞を受賞しました。先週少し書いた認知バイアスといった、人間の意思決定にはいくつかのバイアスがかかっていて、合理的な判断をしないことを証明して、不確実性の下での意思決定の理論を確立したことが評価されて、ノーベル経済学賞を受賞したのです。

 

そのカーネマンが提案した「ピーク・エンドの法則」というのがあります。

簡単に言えば、人間が判断するのは、ピーク(絶頂時)とエンド(終了時)の状況だけだという法則です。

 

さて、お尻の穴の綿棒というのは、ノロウィルスの検査です。

感染している疑いのある場合、他人への二次感染を防ぐために、別室で、肛門から綿棒で便を採取してウイルス検査をするのだそうです。結構、不快感があるのだそうです。

この話を聞いて、思い出したのがピーク・エンドの法則です。

 

例えば、物凄い騒音を1分間聞かせた人と、物凄い騒音を1分間聞かせた後でそれより少しだけ小さい(けれど凄い)騒音を30秒聞かせた人では、後者のほうがストレスが小さい。

両手を10℃の冷水に1分間入れさせた人と、1分間の10℃の後に12℃(これでも結構冷たい)の水に30秒入れさせた人では、やはり後者はストレスが小さいのです。

つまり、ピークが同じならば、エンドによって人は判断するということです。

 

ビジネスの場合では、最も大きな利益を上げた商売は印象に残ります。仮に、A社と5回取引して、10・10・10・10・20万円の利益を上げて、B社とは13・13・13・13・10万円の利益だったとします。合計はA社との取り引きでは60万円、B社とは62万円の利益なのですが、次の取引を選択するのはA社になりそうです。

 

さて、肛門の綿棒ですが、同じような実験例で直腸の診断をする際に検査のストレスを軽減するためには、検査が終わった後に内視鏡を肛門周辺で少しゆっくりと引き抜くのだそうです。そうすると痛みが少ないエンドの状況を作り出せるというわけです。

ノロ検査の不快感を軽減する方法としては、綿棒を素早く引き抜くのではなくて、ゆっくり引き抜く方法があるかなぁ?って思っただけです。

  

まぁ、ノロの疑いを掛けられないように養生しましょう。失礼しました。m(__)m