心技体と身語意

人間をかたちづくっているのは”心技体”と普通はいいますが、仏教では”身語意”です。

 

中小企業診断士はいろいろなフレームワークを使います。優れたフレームワークはMECE(ミッシー)になっています。

MECEとは、Mutually Exclusive Collectively Exhaustive の頭文字をつなげたもので、「モレなく、ダブリなく」という意味です。物事を整理したり、解決策を考えるときに重要な項目にモレがあると拙いですし、ダブリがあると失敗します。

 

人の活動を分析するフレームワークとして”心技体”というのは有名です。柔道とか相撲とかの伝統的なスポーツでよく使われる言葉ですが、経営や人事労務の分野でも有効なフレームワークです。

精神力・忍耐力などの心の力、技術力や観察力など技の力、瞬発力や持久力など体の力、その全てが(モレなく)揃わなければ競技での勝利はおぼつきません。また、ヒトに関して、これ以外に必要なものは考えられないように思います。

エッ、運があるだろう!ですって??・・それに頼りますか??

 

さて、仏教の世界では”身語意”というそうです。

身は身体行動を意味するので、体と技を合わせた概念です。意は心とほぼ同じような意味ですが、より精神活動に近いものでしょう。最も異なるのは、語”ことば”ですね。

人間の業を身語意の三つだと考えるわけですから、仏教では語(ことば)は大事です。世の中の真実というものは不変ではなく移り変わるものです。このため、真実はことばによってのみあらわされます。このため、ことばで説明すること、ことばで考えをまとめること、は真実をつくることにつながります。

ということで、経営のフレームワークとしては「心技体語」が優るかもしれません。

 

明日は大晦日です。2016年も皆さまには大変お世話になりました。

このブログは明日から、1月4日(頃)までお休みします。

それでは、よい年をお迎えください。