鉄道ファンがどんどん増えている

今朝、JR東日本の寝台特急「カシオペア」が、最後の定期運行を終えて上野駅に到着しました。

 

往路(上野~札幌)では、不審物騒ぎがあって、途中の郡山駅で緊急点検したので2時間遅れでした。鉄道ファンの誰かが、録音機を置いていたのが爆発物か何かかと疑われたようです。

ちょっと迷惑な話ですが、復路(札幌~上野)は定時運行されて、多くの鉄道ファンが上野駅にも集まっていたというニュースです。

 

この鉄道の音声や音響を楽しむファンを「音鉄」とか「録り鉄」とか言うそうです。

実際に列車に乗って旅行するのが「乗り鉄」、写真を撮るのが「撮り鉄」は有名です。

他には車両技術に詳しい「車輌鉄」・線路や鉄道関連設備に詳しい「施設鉄」・鉄道資料を集める「収集鉄」・時刻表を研究する「時刻表鉄」・鉄道模型を楽しむ「模型鉄」などがあります。

変わったところでは、「乗り鉄」の亜流で、秘境駅に降りる「降り鉄」「秘境鉄」とか、駅弁や車内土産を集める「駅弁鉄」とか、いろいろです。

 

私のお馴染みJR宇部線(宇部~宇部新川~新山口)は、1日に上下線合わせて40本ほど(1時間に1本出発して、1本到着する頻度)しか走らないローカル線です。走っている電車も、私の目からはありふれているように思います。

でも、宇部線の写真を撮っている人は結構見ます。厚東川の鉄橋を、二両編成の列車が渡るところで、大きなマイクを棒の先につけて、録音している人もいました。

 

それらすべての鉄道ファンを合計すると、日本中で200万人くらいになるそうです。正確な調査や統計は知りませんが、まだまだ増えていくのだろうと思います。

無粋ですが、鉄道ファン200万人が、一人年間10万円を使うとすれば、2000億円という大きな消費市場です。何かの、ビジネスチャンスがあるかも知れません。考えてみては、いかがでしょうか?

 

鉄道ファンは世界中にいるのでしょうが、日本は特に人数が多く、オタク度も高く、洗練されているように思います。日本は国土が狭くて、人口密度が高く、資源に乏しい国です。交通手段として、航空機も自動車も船も使いにくくて鉄道は便利です。大量の人や物を、離れた拠点間に、安く安全に輸送するという意味で鉄道は日本に適しています。

一方で、山や川が多くて、地震や台風などの自然災害が多い日本では、鉄道の敷設は大事業です。それが逆に、長いトンネルや大きな橋を鉄道の見所にしています。

 

日本の鉄道の定時運行にかける努力はちょっと常軌を逸しているほです。前も書きましたが、山手線で3分未満の間隔で走る列車で「本日は定刻より2分遅れて、申し訳ない」と言われても、こちらが恐縮します。

 

当たり前ですが、鉄道は鉄路(レール)の上を走ります。寄り道なんかしません。そして、時刻表通りにきちんと、予定の場所に現れます。滅多に間違いはおきません。

鉄道と鉄道会社の極端なまでの真面目さが、またファンを引き付けるのだろうと思います。