自動車事故・・保険を使うか/使わないか

2012年に自動車保険の等級制度が改定されていますので、ちょっとお考えください。

 

2012年10月にノンフリート(所有する自動車が9台以下)の等級別料金制度が改定されました。

簡単に言えば、事故を起こして保険を使った人には3年間に渡って保険料を高くする(実際は割引率を下げる)という内容です。

「事故する人の負担が増える=相対的に無事故の人の負担が減る」ので、事故をした人と事故しない人の公平性が確保できるというのが理由です。東日本大震災など大災害で傷んだ損害保険会社の持続的な運営を確保するということもあるでしょう。

 

改定された等級表

 

簡単にするために、年間10万円(100千円)の基準保険料の保険に入っていたとします。

今、無事故で15等級にある人が3等級ダウン事故(対人・対物・自損など、盗難やいたずら等以外の事故が該当します)を起こして、自動車修理を保険で賄おうとする場合です。

 

現在の年間保険料は15等級(51%割引)で、49千円です。

来年は3等級下がって12等級事故有(27%割引)で、73千円に上がります。

再来年は13等級事故有(29%割引)の71千円・3年目は14等級事故有(31%割引)の69千円。

4年目は15等級事故無(51%割引)に戻って、49千円になります。

その後も事故しなければ、翌年は16等級事故無(52%割引)・・・・となります。

この保険料を計算してみると・・最初の3年間で213千円。6年間で357千円になります。

 

ここで自動車修理に保険を使わなかった場合を考えます。

来年は16等級事故無・再来年は17等級事故無・・・とずっと事故をおこさないとすれば

この保険料は、最初の3年間で141千円、6年間で260千円になります。

 

このケースでは修理費用が10万円くらいまでなら、保険を使わないで修理をするほうが有利になります。保険を使うか/使わないかは、ちょっと考えてみる価値があります。

 

この等級制度改定によって、自動車修理市場が大きく変わりました。

日本の保険修理市場の総額は2013年の1003億円が2015年に857億円と2年間で146億円減少しました。一方で、一般修理は812億円から988億円と176億円増加しました。

保険修理は原状回復が原則なので、中古部品を使ったり仕上げが粗末になるケースも多いという事情もあるようです。一般修理では、そのあたりの注文もできるというのもメリットです。