働かないアリに意義がある ・・ 若者たち「安心してください」

「働かないアリに意義がある」というのは、以前から知られていた科学的仮説です。

 

働きアリの2~3割くらいは、怠けていて全く働かないのだそうです。この働かない働きアリの存在が、集団を維持するために必要で、その存在に意義があるということです。

怠け者のアリを排除しても、残った働きアリの集団の2~3割はやっぱり働かなくなります。逆に、怠け者のアリだけを集めると、そのうち7~8割が働きはじめます。集団のなかに一定の割合でいる働かないアリがいざという時に働くことで集団の絶滅が防がれるのです。

 

少し話は違うのですが、東日本大震災のときに聞いた話です。

壊滅的な被害を受けた被災地では、救命の限界と言われる72時間での救助が火急の課題でした。現地に入った警察や消防は、到着すると直ちに不眠不休で救助に当たったそうです。被災者にとって頼もしいことです。

ところが、被災地に入った自衛隊の部隊は、半分は救助に当たったのですが、残り半分は野営の準備をして、いきなり睡眠を取り始めたそうです。ちょっとがっかりですね。

しかし、この睡眠の効果は絶大でした。警察や消防の方が疲れ果てた後も、72時間あるいはそれ以上の時間に渡って、自衛隊の救援チームは最高のパフォーマンスを上げ続けたそうです。

 

さて、若い人たちに忠告です。

この働かないアリの話を聞いて、”自分もいざという時に役に立つスーパーサブを目指す”なんて思ってはいけません。若者は、しゃにむに働きアリになって、死に物狂いで戦うのです。

 

大丈夫です。若者世代全員が懸命に働いても会社は決して絶滅しません。

安心してください。「働かないおじさん」がいます!から・・

 

もちろん大企業の場合ですが、よい会社には「働かないおじさん」が必ずいます。

入社からの年次が上がると、同期のなかでも昇進する人とそうでもない人に分かれます。そうすると、若者からは窓際族に見える「働かないおじさん」が一定の割合で存在します。働き者の若い人から見ると、腹立たしい存在かも知れません。

しかし、この働かないおじさんが会社を絶滅から守っています。

 

会社で何かの不祥事が起これば、順調に昇進していた働き者のおじさんが責任を取って辞任します。その代わりは、若い人ではできませんから働かないおじさんが務めます。

逆に会社が何か新しいプロジェクトを起こすときも同じです。海のモノとも山のモノとも分からないプロジェクトであれば、将来のある若者を責任者に据えて万一のことがあると大変です。とりあえずは、働かないおじさんのなかから適当な方に担当してもらうことになります。

 

もちろん、働かないアリも働かないおじさんも、働いた経験や働く能力があるから、いざという時に役に立つわけです。実は、働かない(ように見える)おじさんも、腕が鈍らないように鍛錬と準備を日夜しているのです。

と言うわけで、若者たちは安心して、心置きなく働いてください。