軽減税率のグレーゾーンは狭い

消費増税以降に導入される軽減税率は「外食と酒類を除くすべての食品」に適用されます。

 

軽減税率が適用されるか・適用されないのか、判断に苦しむグレーゾーンがあるのではないか?と言われていましたが、ほとんどなさそうです。

押さえておくのは、①事業者が販売する時点で決定する。 ②混合物の場合は主たるものが食品であるか否かで判断する。 という2点です。

 

軽減税率というのを確認しておくと、消費税の標準税率は10%になるのですが、食品と新聞(これも定義があります)は現行税率8%が維持される軽減税率の適用になります。

 

今日の国会審議で質問があって、財務省の方が返答した内容です。

質問1)

・ペットフードのなかには人間も食べられるものがあるがこの税率は?

回答1)

・ペットフードとして販売されており食品衛生法上の食品でないものは標準10%です。これを人間が食べることは推奨されません。(首相夫人が間違って長年愛用していたという国会での衝撃発言もありましたが・・)

・人間が食べる食品は軽減税率8%です。これをペットが食べても構いません。と言うか、昔はペットフードが広まっていなかったので、これが普通です。

 

質問2)

・ファストフード店で持ち帰ると言った客が店内で食べたらどうするのか?

回答2)

・料金を受け取る時点で持ち帰ると思われたのなら軽減税率8%です。

⇒みんなが、そうするじゃないか?

⇒牛丼店の持ち帰り容器に入っている食品とか、ハンバーガー店の紙袋に入っている食品とかを店内でどうどうと食べる人がそんなにいるとは思えません。

 

関連質問)

・アルバイトの学生が、客としてやってきた友達が店内で食べるとこが分かっているのにテイクアウトとしてレジ入力したらどうするのか?

⇒これは、消費税の問題ではなく労働者のモラルの問題です。あまり酷いと、アルバイト続けられないかも知れませんね。

 

質問3) 

・おもちゃつき菓子などの場合、菓子が主なら食品(軽減税率8%)で、おもちゃが主なら食品以外(標準税率10%)です。中身の見えない福袋で食品と食品以外が混在しているものの税率はどうするのか?

回答3)

・袋に入れた事業者は中身が分かっていますから、主として食品かそうでないかは事業者が決めます。

⇒事業者がいんちきしたらどうするのか?

⇒これも消費税の問題ではなく、商業モラルの問題です。へんな評判が立つと、売り上げに響きます。

 

質問4)

・チャーハンと餃子のセットを注文して、チャーハンは店で食べたけど餃子は持ち帰るとお客さんが言い出したらどうするか?

回答4)

・料金を受け取った時点で外食と判断されたので、標準税率10%になります。

⇒そもそもこんなことを言い出す人がいるのだろうか?

⇒またセットメニューを食品と外食に分けることができないのは当然で、持ち帰る餃子だけの価格がいくらかもわかりません。

 

元々は、食品のうち生鮮食品だけを軽減税率にして、加工食品は外そうという考えがありました。この場合、標準税率と軽減税率のグレーゾーンは広そうでした。

今回は、外食かそうでないかの判断ですから、常識的に(あるいは良識的に)判断すれば、あまり問題はなさそうです。