歯車になるには難しい & 石の側もしんどい

プロ野球のキャンプがはじまりました。新卒の新人選手の話題で賑やかになっています。

 

いつの時代でも、どんな組織でも、新人の加入は楽しみなものです。

特に中小企業では、全体の人数が少ないので、一人ひとりの新人に掛ける期待は大きくなります。

 

今年の新卒採用では、地方の中小企業の採用意欲もたいへん旺盛でした。景気回復による需要増加や世代交代などで人手不足が深刻ですから、一人でも採用したいところです。

ところが、どうしても大都市圏の大手企業のほうが魅力的に感じられるのか、なかなか採用に至らないで苦労されています。今年初めて、大都市圏での出張選考を試みたり、学校訪問やOB活用などを活発にするなど、新卒争奪戦に参入した会社も多かったようです。

 

さて、”たくさんの採用をすると、たくさん辞める”というのも実態です。

厚生労働省の最新の統計によると、新規学卒者の3年以内離職率は以下です。 

 

従業員が1000人以上の大きな事業所でも、3年間で5人に一人以上が離職します。従業員が100人未満くらいの事業所ですと、半数近くが離職します。

離職する原因を調査すると、次の3つが拮抗して上位にきます。

〇 労働時間・休日・休暇の条件がよくない

〇 仕事がつまらない・自分に合わない

〇 賃金の条件がよくない

 

では、離職後に転職して、希望する労働条件や賃金条件が獲得できたかというと、少々疑問です。また、自分に合った・やりがいのある仕事につけるのかも心配です。

 

自分がやりたいことができずに会社の歯車になるだけなので、仕事がつまらない。という話があります。しかし、会社の歯車になることは大変難しいことです。あなたが会社の歯車になれば、あなたが抜けると会社は動かなくなります。あなたは会社の歯車に本当になれるでしょうか?

 

一方で、すぐに辞めると言いだす人に「石の上にも三年いれば暖まる」と言って、忍耐の大切さを説くこともあります。しかし、じっと三年間何もしないでおられると、石のほうもしんどいです。

社会人になった最初の3年は、とても重要です。石の上でじっとしていてはいけません。積極的に動きまわって欲しいものです。