軽井沢のバス事故・・安全第一を徹底して

 スキーバスの事故で、大学生12名と運転手2名が亡くなり、重体の方もおられる。

 

 大学生の子どもの親としては、何とも言葉もないような事故です。

 

 報道によれば・・・、

 旅行会社は「激安&格安バスツアー」を専門としている会社。

 今回のツアーは、現地の宿泊施設で1泊か2泊して運賃とリフト代や宿泊費などを含め1万3千円~2万円弱の設定。旅行会社からバス会社への発注金額は国土交通省の基準価格27万円を9万円下回る18万円だった。そうです。

 

 ツアー客は39人だったので、売上高:1万5千円×39=58万5千円くらいです。

 バス会社に18万円・ホテルに20万円(39人×5000円)・リフトに12万円(39人×3000円)で7合計40万円。旅行会社の粗利益が18万円。くらいの勘定だったのでしょうか?

 旅行会社のほうは、それなりに利益が上げられそうです。

 

 バス会社のほうは、法定の下限を大幅に下回る金額で受注せざる得なかったことから、経営にゆとりはなかったと思われます。

 しかも、2日前に国交省の指導を受けているなど、業務管理の実態がかなりいい加減だったようです。事故を起こした運転手さんは、過去に大型観光バスの運転経験がほとんどない65歳の方で、雇い入れ時の健康診断も受けていなかったそうです。

 ちょっと、信じ難いような話です。

 

 今回の事故の原因はよくわかりません。

 積雪も凍結もなく、道路もそれほど難しい場所ではなかったようですから、運転手さんの体調が突然おかしくなっていたことも考えられます。

 ほんの少し前までなら、65歳は定年退職してから何年もたった年齢です。

 もちろん元気な方もいるのでしょうが、以前なら入社1か月で夜行のスキーツアーバスを運転するケースはなかったと思います。高齢者の活躍は必要ですが、管理する側に十分すぎるほど慎重な姿勢が必要です。

 

 人手不足、特に若い運転手さん不足の要因は給与・待遇が悪いことにあると思います。また、今回はそうではないようですが、老朽化した車体や整備不良が原因の事故も確かにあります。

 国交省としても、適正運賃をバス会社が確実に守れるように、旅行業界全体を監督するべきでしょう。そして、運転手さんなど働く人の処遇を改善し、安全運転に関する指導教育をおこない、安全運行管理の業務をきちんとすることを守ってください。

 一方で、消費者側も「激安」「格安」の言葉に踊らされることなく、しっかり評価して商品を選択しなければならないように思います。

 

 史上最悪のバス事故と言えます。「安全第一」を徹底して、二度と起こらないようにして欲しいと強く願います。