軽税と緩法と自戒・・社長のための老子(67)

  老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第七十五章です。

 

 老子は、国に対して3つの提言をしています。

 1、 重税は国民を苦しめるので避けること。 

 2、 不必要な法律や規則は作らないこと。

 3、 為政者は自分が豊かになることを望まないこと。

 

 「支配者が自分が豊かになるために民衆に法律を押し付けて重税を課しているような状況」は、もちろん、許し難いですね。老子の生きた春秋戦国時代にはこうした為政者が多かったのです。


 ところで、当時(2300年くらい前です)も「法の支配」を掲げる国が増えていきました。始皇帝の秦なども法治国家です。当時の法律も、宰相が主催する幹部会議の協議を経て、皇帝に献策されて決定する手続きが取られます。また博士たちを集めた有識者会議も開催されています。例えば「焚書坑儒」など、現在の日本から考えればめちゃくちゃな法律でも、こうした手続きを経たうえで、皇帝によって正式に決定されています。


 老子は、法律や規則は必要最小限に止めておくべきだと言っています。特に、道徳に反しているもの、以前の法律や規則と辻褄が合わないもの、罰則が厳しすぎるものは、国民が混乱するだけで害はあって利がないと指摘しています。 

 

 民之飢、以其上食税之多。

 是以飢。

 民之難治、以其上之有為。

 是以難治。

 民之軽死、以其上求生之厚。

 是以軽死。

 夫唯無以生為者、是賢於貴生。

 

 民衆が飢えるのは、支配者が税金や使役を過剰に課すからだ。

 だから民衆が飢える。

 民衆を統治し難いのは、支配者が不必要なことをするからだ。

 だから民衆が統治し難い。

 民衆の死が軽いのは、支配者が自分の豊かさを優先するからだ。

 だから民衆の粗末に扱われる。

 生活の豊かさに無頓着な人は、生活の豊かさを大事にする人より賢い。