「介護離職ゼロ」を達成する

 「新・三本の矢」の三本目です。”ゼロ目標”は避けよ!というのが原則です。


 労働災害では、「一人ひとりがかけがえのないい人」ですから「ゼロ災害」が目標です。「ゼロ災害」は期間の定めがなく永遠の目標です。今年だけはゼロ災害というわけではありません。


 労働災害(重大災害)に関する目標を除いて、それ以外のアクションプランでは「”ゼロ目標”は避ける」ように指導します。”ゼロ目標”は、一つの事例があっても未達成になるので計画が合理的に作成できなかったり、計画期間内に挫折した場合に実行が放棄されたりする危険があります。


 それは、さておき「介護離職」です。最新の調査では、平成19年~24年にかけての5年間で介護・看護を理由にした離職者が48万6900人(男98万人・女389万人)いました。ここから、介護離職者が年間10万人というまとめになっています。

 離職した人のうち56%は介護・看護の理由がなければ仕事を続けていたかった。

 離職した人のうち75%は再就職して他の仕事についている。

 離職した人のうち75%は離職して経済面の負担が増した。

 

 ちょっと注意が必要なのは、介護離職が増えているというわけではないのです。

 統計が5年毎で、その前の5年の平成14年~19年は56万8千人(平成9年~14年は52万4千人)となっています。5年間では8万人減っています。

 国や事業者の取り組みは一定の歯止めにはなっている可能性があります。

 

 介護離職する人は、我々の世代(50代)が大半ですから、いろいろ個別事情もあります。また、山口県のような地方で、中小企業に勤めている方の場合には、介護離職はかなり少ないと思います。


 「介護離職ゼロ」という目標に、具体的にどう取り組むのかは難しいような気がします。介護施設をたくさん建設するということにはならんとは思うのですが・・。


 「新・三本の矢」は、なぜその三本なのか?なぜその目標なのか?が、まだ明らかになっていません。これから、説明がされると思いますので、注目しています。