クレジットカードの発行枚数が増えた

クレジットカード発行枚数が、今年の3月末は5年ぶりに前年より増えました。

 

取り引きのときに、売り手が買い手を信用して代金を支払われないうちに商品を引き渡すことを「信用販売」と言います。

会社でのビジネスは、たいてい信用販売です。「月末払い」とか「毎月20日払い」のような取り決めは、掛け売りですがら信用販売のひとつです。

 

信用販売で最も身近なのが、「クレジットカード」です。

買い手にとっては、何を買っても・どこで買っても手軽に使えるので便利です。売り手にとっては、もっと便利で、信用調査も代金回収も業者任せにできるので、仕事に集中できます。

 

クレジットカードの利用額は毎年増え続けています。2013年のデータで41.8兆円がクレジットカードを使った買物の額です。この年の民間最終消費額は286.4兆円ですから、全ての買物のおよそ15%がクレジットカードによるものです。

 

 

但し、この割合はイギリスでは40%・アメリカでは50%・韓国では60%を超えていますからから、日本ではクレジットカードがまだ普及の余地が大きいと言えます。信用販売は日本人の精神性とは少し相容れないということもありそうです。

アドオン払いやリボリング払いなど、一見すると利便性がよいようで注意が必要な方式も宣伝されています。クレジットカードに頼り過ぎるのは危ういと感じるのは、健全な感覚です。

 

さて、クレジットカードでの買物の額は増えているのですが、発行枚数のほうは平成21年をピークにして減り続けていました。

現在の発行枚数は2.67億枚ですから、成人一人当たり2.6枚のカードを持っている計算です。カードをたくさん持ちすぎて使いこなせない人や、酷い例では財布に収まりきらないほどのカードを持つ人もいますから、少しづつ整理されていくのだと思っていました。

それが、平成26年に再び増加に転じました。

 

クレジットカードは、消費者が将来の購買力を前倒しすることですから、需要が増えて経済が成長するという効果があります。高価なモノや長期間使用するモノが売れるので、そのときは生活の満足度が上がります。

多くの国でクレジットカードが普及しているのは、社会的な効用だけでなく、ときの政府が経済政策(不景気対策)として利用を促進させたからなのです。その時の政権にとっては、とても効果的な政策ですが、購買力の前倒しは将来の収入があってこそ成り立つことを気に掛けておく必要があります。

 

オリンピックや海外観光客誘致を隠れ蓑にして、クレジットカード利用を無理に増やそうなんて政策が出てきたら要注意かも知れません。・・お気を付けください。