余計な手出しはしない・・社長のための老子(52)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第六十章です。

 

第六十章では、冒頭の『大国を治むるは、小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとし。』が、有名です。「国家を統治するには、小さな生の魚を鍋で煮るようにしなさい。」と言っています。

小さな魚を煮るときに、無闇に突っついたり、かき混ぜたりすると身が崩れてしまいます。

つまり、国や会社を統治するときには、厳しい規則で縛ったり、細かすぎる指示を出したり、賞罰を乱発するなんて、余計なことはしないほうがよいということです。

 

「鬼」・・道理に従わない者

「神」・・(理解できない)不思議な力 

 

治大国、若烹小鮮。

以道莅天下、其鬼不神。

非其鬼不神、其神不傷人。

非其神不傷人、聖人亦不傷人。

夫兩不相傷。

故徳交歸焉。

 

会社の経営では、社長がは余計な手出しや口出しをしないほうがよい。

社長が道理に従って会社を経営していれば、違反する者が力を持つことはありません。

違反者は力を持たないだけでなく、力があっても他人の邪魔はできません。

力があっても人の邪魔ができないうえに、道理を守る者も他人の邪魔はしません。

つまり、違反する者も、守る者も、どちらも他人の邪魔はしません。

こうして、(社長が道理にしたがって正しい経営をするならば)全ての社員が道徳に従った仕事をすることになります。