喫煙室と給湯室は必要?

全館禁煙の職場が増えてきて、タバコを吸わない私たちは大歓迎なんですが、喫煙者からはストレスが高まったと苦情が出ています。

 

(私は学生時代も含めてタバコを吸ったことがありません。)

私が会社に入ったころは、工場の事務所はタバコの煙で霞がかかったようでした。禁煙になったのは、いつの頃だったでしょうか?当初は事務所の一角のミーティングスペースが喫煙コーナーになりました。換気扇があって、空気清浄機が置いてありました。

 

 

そのうち、室内の喫煙コーナーが廃止になって、閉鎖型の喫煙室や階段脇の喫煙ボックスが設置されるようになりました。今や、その喫煙室も廃止になって、喫煙者がタバコを吸うのは屋外、ときによっては社外に出掛けてしかできなくなりました。街なかの喫煙可能な場所もどんどん減ってきています。

 

非喫煙者は、喫煙の健康リスクをやさしく説いて、あなたのために喫煙をやめましょう。伏流煙の危険性を強く訴えて、愛する家族のためにタバコをやめましょう。と、攻めていきました。喫煙者サイドは、この説得が科学的根拠が明白な事実であるために有効な反撃をできませんでした。

あと少しで、あの迷惑な喫煙者たちを絶滅に追い込まれるでしょう。この戦いは、日本では30年から40年に及びましたが非喫煙者側の完全勝利で終わろうとしています。

 

この歴史で、喫煙場所は「机→コーナー→専用室→屋外→社外」と、仕事をするところからどんどん離れてきました。1度の喫煙で失われる仕事時間が、「0.5分→4分→8分→12分→20分」と長くなって、到底無視できなくなりました。職場で「課長はどこ?」「いや~?タバコですかね?」という返事を何度も聞かされるのは耐えられません。

 

非喫煙者からすれば、喫煙者がタバコを吸いながら怠けている間も、喫煙者分も含めて仕事をこなしているわけですから、同じ給料じゃおかしいということになります。

 

この過程のなか”4分→8分”時代に、タバコがあるから他の部署の人と情報交換ができるのだと、タバコの効用を説く喫煙者の苦し紛れの反論をよく聞きました。その前の時代は、机で一人で吸っていたのですから、突然にタバコの効用を言いだしても鼻白むだけです。

 

ただ、喫煙者が絶滅しようとしているなか、今振り返ると、ある時期に喫煙室での情報交換が一定の役割を果たしていたように思います。意外な方から、突拍子のない素晴らしいアイディアを聞いた経験が確かにあります。

 

女性社員が給湯室で話し込むなんていうステレオタイプのドラマがありましたが、1980年以前の”0.5分”時代には男性社員が部門を超えて話をする機会は無かったと思います。日本の歴史上、”4分→8分”時代、つまり1980年から2010年くらいの間は特異な時代だったように思います。

 

現在では社内コミュニケーションの重要性を謳って、オフィスにコミュニケーションスペースをつくったり、机を不規則に並べたり、席を固定しないでフリーにしたり、といろいろな取り組みがおこなわれています。しかし、現実には執務中は仕事をこなすことに集中するのが普通で、効用が十分に得られているとは思えません。

 

”4分→8分”時代を前後の時代と科学的に比較することで、何かの発見があるものでしょうか?

当時の主力だった団塊世代と連絡が取れるうちに、調査をしておくとよいかも知れません。