絶対に正しいものは無い・・社長のための老子の教え(50)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第五十八章です。

 

人生や経営にとって「絶対に正しい」というものはありません。

今日は正しいと思っていたやり方が、明日には誤っているかも知れません。

今日は善であり遵法であった行いが、明日には悪で違法であるかも知れません。

言いたいことを全部言うのではなく、大らかに見守ることが大切です。

 

其政悶悶、其民醇醇。

其政察察、其民欠欠。

禍兮福之所倚、福兮禍之所伏。

孰知其極。

其無正。

正復爲奇、善復爲訞。

人之迷、其日固久。

是以聖人方而不割、廉而不劌、直而不肆、光而不曜。

 

社長が大らかに見守ると、社員は温厚になる。

社長が細かくて厳しいと、社員は不満を持つ。

災いは幸福を通してやってきて、幸福には災いが隠れているものだ。

誰もその行きつく先を知ることはできない。

この世には、絶対に正しいというものはない。

正常なものは異常なものに変わり、善いものは怪しいものに変わる。

だから人は大昔から迷いつづけているのだ。

絶対に正しいものは無いのだから、よい社長とは、自分が正しいと思っても従業員をひどく咎めず、厳しくは接しても従業員を傷つけず、素直に従業員の声に耳を傾けて高圧的な態度はと

らず、自分がいくら功績をあげても従業員に自慢などしないものだ。