大阪府警阿倍野警察署長による謝罪が問題になっている

同署のM巡査が交際相手のSさんを絞殺した事件で、A署長がSさんの両親を夜遅くに最寄りの警察署に呼び出して謝罪したときの音声が公開されて、問題になっています。

 

TBSの番組で観ましたが、署長の発言には全く配慮が足らないと思います。

コメンテーターの方が、警察組織の体質や危機管理の問題などについて、いろいろ発言されていました。阿倍野警察署は大阪で二番目に大きいそうで、日本でも最も重要な警察署のひとつです。災害やテロ事件などが発生した場合は、迅速で的確な対処が求められます。

 

警察署に限らず、自分の部下が犯した殺人です。殺した相手は若いお嬢様であり、面談しているのはその親御さんです。遺品の整理に大阪に来られて、部屋の片づけをしていることを知って、夜遅くに警察署に呼び出しての発言だそうですから、さらに非常に不適切です。 

 

事件の内容も報道によればとても酷いです。M巡査が震災復興支援に訪れた仙台で、当時大学生だったSさんと知り合い、その後Sさんが大阪で就職して交際を続けていた。昨年10月に、M巡査は他の方と結婚したのだが、Sさんにはそれを告げずに交際を続けていた。今年1月に、この結婚をSさんに知られたので殺したという事件です。

これをA署長は「M巡査は幸せの絶頂に、Sさん殺人というトラブルに巻き込まれた」と、ご遺族に話しました。

 

ところで、2013年に他殺で死亡したのは日本全国で343人です。また、警察官が殺人を犯したのも30年振りだそうで、極めて特殊な重大事件であり、トラブルとは言えません。

テレビドラマでは毎週殺人が起こります。フィクションでは、結構些細なことでも理由になりますが、実際には殺人に至るような理由は、現在の日本にはもうありません。

 

M巡査は、Sさんが「交際していることを妻や職場である警察に話すと言ったので殺した。」と供述しています。

しかし、こんなあからさまな夫の不倫行為を妻が知らなかったとは思えません。妻に隠し事できないのは、世の既婚男性はみんな知っています。また阿倍野警察署に話されても、多少は居心地が悪くなっても大ごとにはならなかったでしょう。

ちょっと考えて、殺人と言う行為は思い止まるべきです。自分がしたことですから、きちんと謝って、許しを請いましょう。失われた生命は戻ってきません。被害者とご遺族がお気の毒です。