大器は晩成する ・・ 社長のための老子(34)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第四十一章です。

有名は「大器晩成」の章です。

大器晩成を「大きな器はゆっくりできあがる」とするのか、「大きな器は完成することが無い」とするかはよく議論になります。確かに、老子からは、「完成するような器なら大したことは無い」と意味されるのかも知れません。

 

上士聞道、勤而行之。

中士聞道、若存若亡。

下士聞道、大笑之。

不笑不足以爲道。

故建言有之。

明道若昧、進道若退、夷道若纇、上徳若谷、大白若辱、廣徳若不足。

建徳若偸、質眞若渝。

大方無隅、大器晩成、大音希聲、大象無形。

道隱無名。

夫唯道、善貸且成。

 

向上心のある人に道のことを聞けば、何とかして実行しようとつとめます。

凡人は、あるかないかわからないように曖昧です。

怠け者に人物に道のことを聞けば、これを笑い飛ばします。

怠け者に笑われないようなら道は本物に値しません。

だから昔からの言葉に次のようにあります。

明るい道は暗く見え、進む道は退くように見え、平らな道は傾いているように見え、最高の徳は谷のように低く見え、最高の潔白は汚れているように見え、広大な徳は足りないように見えます。

確固とした徳を持つ者は軽薄に見え、質素で真心がある人が軽薄に見えます。

大きな方形は隅が無いように見え、大きな器はゆっくりできあがり、大きな音は耳に微かにしか聞こえず、大きな姿には形がありません。

道は目に見えず名前もありません。

しかし、この道だけが、万物に力を貸して成功に導くのです。