建国記念の日と創立記念日

 今日は「建国記念の日」です。「建国記念日」ではなく、「建国したことを記念する日」です。


 何故か、こんな面倒なことになりました。元々、2月11日は戦前では「紀元節」と読ばれていました。初代の天皇である神武天皇が紀元前660年2月11日(旧暦の1月1日)に即位して、日本国が建てられたという神話に基づくものです。

 

 どんな民族にも国造りの神話はあるのですが、敗戦国であった日本は占領したアメリカによって、この神話を封印されてしまって、紀元節のお祝いは禁止されました。アメリカは日本がひとつにまとまるきっかけを無くそうとしました。

 しかし、戦後の復興が進むなか、建国を記念する日が無いのは寂しいという声は次第に高まりました。世論調査の結果で国民の80%以上が望むところとなって、1967年に「紀元節」を「建国記念の日」と替えて「建国されたという事実を記念する日」として祝日としました。こういう経緯があったので、現在に至っても「建国記念の日」には日本国としての公式な行事はなに一つも催されません。とても静かな祝日です。

 

 さて、会社でも「創立記念日」というのを祝います。社長が先達への感謝を表して、一年の社業の発展を祈念する訓示をします。歴史の長短に限らず、会社にとって非常に重要な日です。いろいろな事情で、会社のオーナーが代わったような会社でもこの日は大切にしたほうがよいと思います。

 

 この創立記念日に、永年勤続社員を顕彰し、年度の優秀従業員を表彰するといった行事をおこなう会社は多いと思います。ところが、近年「永年勤続表彰」を止める会社が増えているそうです

 しかし、これは続けたほうがよいと思います。特に中小企業の場合には勤続年数というものは重要です。大企業では一つの部署で一つの仕事さえできれば構わないので仕事を覚えるのは簡単です。極端な場合、数時間でマスターして十年以上続ける仕事さえあります。

 

 中小企業では人員が少ないのですから、一人の仕事範囲は広くなります。大会社と違って、一朝一夕には仕事は覚えられませんから、会社の業績に貢献してくれるのは、1年でも2年でも経験を積んでくれた社員です。ところが、平均的には3年で4割の社員が辞めていきます。 

 創立記念日に、この1年を辞めずに働いてくれた社員に感謝する気持ちを、社長が率直に盛大に表すことは大切なことです。