柔弱は剛強に勝る ・・ 社長のための老子(29)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第三十六章です。

 

この章は、とても恐い内容です。老子81章のなかでもかなり特異なので、老子とは関係ないものが混ざったのではないかとも言われます。

 

「微明」の意味はいろいろな解釈があるのですが、このような権謀術策を賢明だとは威張って言えないので、微かに賢明と照れて言っているのかと思います。

漢字の意味で、1行目の”歙”は恐れ入って縮みあがるという意味。

 

將欲歙之、必固張之。

將欲弱之、必固強之。

將欲廃之、必固興之。

將欲奪之、必固与之。

是謂微明。

柔弱勝剛強。

魚不可脱於淵。

国之利器、不可以示人。

 

競争相手を土下座させたいなら、威張らせておきなさい。

弱らせたいと思いなら、しばらくは強くさせておくのです。

事業を廃めさせたいと思うなら、別の事業を新しく興させるのです。

後で事業を乗っ取ろうと思うなら、今は利益を出させておくのです。

これを「微明」と言います。

柔弱は剛強に勝ちます。

私は、魚が水底から出ていかないように隠れておきます。

私の策略は、国の最も強い武器は人に示されないように、誰にも明かしません。