「喜寿に葛粉」・・景気循環のお話

天皇陛下の傘寿(88歳)を記念して皇居の一部が公開されて、たいへんな人気でした。

 

「喜寿(77歳)に葛粉」は、景気循環理論を覚えるときのごろ合わせです。中小企業診断士試験で景気循環は頻出です。

 

キチンの波:在庫に起因する:約4年の周期

ジュグラーの波:設備投資に起因:約10年の周期

クズネッツの波:住宅建物に起因:約20年の周期

コンドラチェフの波:技術革新に起因:約50年の周期

 

 

ジュグラー以降の中周期・長周期の波を実感することはなかなか難しいところです。普通、私たちが実感するのは数年単位の好況と不況の波だと思います。景気には山と谷があるのですが、そのときにはわかりません。後になって、いろいろな指標を分析して、いつが山で谷だったかが決まります。

 

現在、日本の景気は戦後の第16循環に入っています。

これまでの15回の景気循環を大雑把に平均すると、好況ループが3年間続いて「山」を迎え、不況ループに移行して1年半で「谷」になって、再び好況ループに移るという循環です。

(好況ループの最短は2年、最長は6年。不況ループの最短は7カ月、最長は3年。)

 

第15循環の終わりである「谷」は暫定ですが、2012年11月と推定されています。この2012年11月14日が、野田首相が「自民党が定数削減と一票の格差是正を約束したら明後日解散してもよい」と発言して、安倍自民党総裁が「約束ですね。約束ですね。」と連呼した日です。

あれから2年、アベノミクスなのか景気循環なのかはわかりませんが、好況ループは続いているように見えます。先にも言いましたが、この瞬間も続いているかどうかは後にならないと判りません。

自民党が好況ループの期間に選挙を計画したのは当然で、任期満了では不況ループに移っている可能性が高いです。

 

経営者の立場で言えば、好況ループの後半をチャンスと捉えて頑張るのか、そろそろ「山」が近づいていると慎重な舵取りをするのか、それぞれの事情での冷静な判断が必要な時期です。

とりあえずは、週末の選挙には行きましょう。