他社のことは気にしない。・・社長のための老子(13)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第二十章です。

 

この章はちょっと長い。また、解釈が難しい。そこで、訳は素直じゃないので、悪しからず。

社長を務めるのは、とてもたいへんなんだと感じてください。

 

絶學無憂。

唯之與阿、相去幾何。善之與惡、相去何若。

人之所畏、不可不畏。荒兮其未央哉。

衆人煕煕、如享太牢、如春登臺。我獨怕兮其未兆、如孾兒之未孩。乘乘兮若無所歸。

衆人皆有餘。而我獨若遺。我愚人之心也哉。沌沌兮。

俗人昭昭。我獨若昬。俗人察察。我獨悶悶。忽兮若海、漂兮若無所止。

衆人皆有以。而我獨頑似鄙。

我獨異於人、而貴食母。

 

【意訳】

わたし(経営者)は、もう勉強なんて止めてしまおうと思う。

そうすれば悩みがなくなるだろう。

「そりゃいい」と「ちょっとどうかな」にどれだけの違いがあるだろうか。

「素晴らしい」と「けしからん」にだって、大した違いがありはしない。

よその会社が恐れていることを自分も恐れているだけじゃないか。

何故、そんなことを怖がらないといけないのか。

他社は、ご馳走を食べながら春の行楽を楽しんでいるように、和やかで幸せそうじゃないか。

わたしは一人、会社に残って、生まれたばかりの赤ちゃんのように、外部のことに囚われないよう、目を閉じ、耳をふさいでいる。

わたしには会社しか帰るところが無いのだし、誰にも気づかれなくても構わない。

他社は、みんな満ち足りているのに、わたしには何もかも不足しているように感じる。

わたしは、きっと愚か者なのだろう。いろんなことが頭のなかをずっと駆け巡っている。

他社はみんな先行きが明るいのに、私の会社は今にも倒れそうだ。

他社は賢く素早く進むのに、わたしのところは思い悩んでばかりで一向に発展しない。

まるで、ゆっくりと波間を漂っている泡のようだし、風まかせに空を舞っているゴミのようだ。

他社はみんな有能なのに、わたしだけが頑固者で融通が利かない。

ここまで考えて、わたしの会社は他社とは違うので、周りのことは気にしないで、自然の道理だけに従って経営していくことに決めたのだ。