見返りを求めず威張らない・・社長のための老子(3)

引き続き、老子第十章を紹介します。

女性を比喩に使っていますが、2300年も前のことですので、ご寛容に・・

 

本来は国を治める者の心構えを説いていますが、経営者に置き換えても同じです。

 

載営魄抱一、能無離乎。専気致柔、能嬰兒乎。滌除玄覽、能無疵乎。
愛民治国、能無智乎。天門開闔、能爲雌乎。明白四達、能無知乎。
生之畜之。生而不有、爲而不恃、長而不宰。是謂玄徳。

 

《意訳》

経営者よ
仕事に全力を尽くしているときも、心と身体を離すことなく一つにしておきなさい。
いつも気持ちをコントロールして、天真爛漫な赤ちゃんのように心を柔らかくしておきなさい。
広い見聞や深い知識があったとしても、それを捨てて、心の鏡に傷を付けないようにしなさい。

 

従業員を愛して会社を運営するには、無用な作為は捨てて、自然な経営をおこないなさい。
外部からの甘い誘惑に刺激を受けることがあっても、女性のように静かに受け身でいなさい。
あなたにとって、あらゆることが明白であっても、知恵を働かさないままにしていなさい。

 

確かに、あなたが、従業員を率いており、養ってもいます。
しかし、業績は従業員の手柄として、自身が見返りを求めることなく、社長だからと言って威張ったりしないでいなさい。
こういう経営者が、会社を強く一つにまとめて発展させるので、「玄徳」と言われます。

 

※「玄徳」とは、最上級の深い徳のこと。