人口密度は可住地面積を分母にして評価する

都道府県で面積が一番狭いのは?というクイズがあります。

 

自信満々で「大阪府」と答えたのですが、間違いです。1987年までは都道府県のなかで大阪府が最も面積の小さかったのですが、現在は香川県が最も狭くなっています。

大阪府と香川県は元々僅差だったのですが、大阪府のほうは埋め立てによって陸地面積が増えてきました。一方の香川県は塩田が廃業して海に戻ることで陸地面積が減ってきたうえに、岡山県との県境がある井島(2.7㎢)の香川県範囲(無人です)が境界未定地域として排除されたことで、更に減りました。

 

山口県 棚田
山口県 棚田

現在、都道府県の面積で狭い方からは、1.香川県、2.大阪府、3.東京都、4.沖縄県、5.神奈川県の順になります。

人口密度が高いほうからは、1.東京都、2.大阪府、3.神奈川県、4.埼玉県、5.愛知県になります。面積が小さい都府県に多くの人口があるというわけです。

 

但し、人口密度を総面積で計算するのは実態に合わないようです。例えば、滋賀県では琵琶湖が1/6を占めますが湖上に人は住めません。また、山岳地帯や森林地帯が広がる県もあります。そこで、可住地面積で計算する必要があります。

 

可住地面積の小さい都道府県は、狭い方から1.奈良県、2.鳥取県、3.山梨県、4.香川県、5.徳島県となります。実は、大阪府は湖沼や森林面積が少なく、可住地面積比率が70.1%と日本の都道府県で一番高い都道府県です。このため、可住地面積では、狭い方から13番目です。

一方で、お隣の奈良県は北部の奈良盆地の印象が強いですが、県南部は山岳地帯なので、可住地面積は総面積の23.1%しかありません。

 

総面積で計算した人口密度は大阪府は奈良県の13倍超です。大阪府が凄く過密な印象を持ちますが、可住地面積当りの人口密度では4倍ほどの違いです。それほどの違いではないような気がします。何かを比率で比較するときは、何を分母に置くかをよく吟味する必要があります。

 

ところで、今回の震災で土地が隆起したことで石川県の面積が増えたそうです。石川県は都道府県のなかで35番目の面積で、34番目はお隣の福井県です。今のところ、面積の増加は小さいので順位の変動はなさそうです。