中小企業の分社化。つつましいなかに少しの期待を

中小企業では、同業種の分社化経営を選択しているところは多いです。 

 

分社化する理由はさまざまですが、一人のオーナーがA鉄工所㈱・㈱B鉄工所・㈲C鉄工所の3社を経営するとか、グループに㈱居酒屋A・㈱居酒屋B・㈱居酒屋Cの3社があるといった例です。分社化には手続きも必要ですし、コストもかかります。中小企業が分社化を選択するのは、それを超えるメリットがあるというわけです。

 

分ける
分ける

大会社が分社化する動機は次の3つです。

1つ目は、事業を分社化して独立した組織として経営責任を明確化することです。

2つ目は、事業を多角化する過程で身軽な組織として成長速度を上げることです。

3つ目は、新しい人材を雇用して処遇するのに都合がよいからです。

 

売上高日本一のトヨタ自動車は、元は豊田自動織機が多角化を図るために立ち上げた自動車部が分社独立してできた会社です。自動車会社では、SUBARUは中島飛行機から分社しています。

電機メーカーでは、日立製作所は日立鉱山の修理部門が独立したもので、三菱電機は三菱造船の電機製作所が分社したものです。金融関係は合従連衡のイメージが強いですが、野村證券は大阪野村銀行の証券部が独立したもの です。

 

中小企業の分社化はもっと身近なつつましい利益を求めるものです。一番多いのが、課税所得が800万円以下だと適用される軽減税率の活用です。普通法人の税率は23.2%ですが、年800万円以下の部分は15%に軽減されます。仮に、課税所得が1600万円の会社が、800万円づつの2社に分社すれば、法人税は66万円節約できます。(但し、税務当局に否認されるかもしれません)

 

この他、消費税の節税(免税事業者にする)とか、交際費の限度額を増やすとか、外国人技能実習生を受け入れるとか、転籍に際して退職金を支給して節税するとかです。

ほとんどの中小企業の分社化では、経営を軽くして、事業を発展させるといった理念があるわけではないのです。それでも、法人格は別です。最初のきっかけはともかく、分社した法人が何かの独自な取り組みをするようなことがあればいいなぁと思っています。