韓国の世界スカウトジャンボリー。事前の準備が大事です

韓国で開催されていた「第25回世界スカウトジャンボリー」でトラブルがあったそうです。

 

ずさんな運営であったと、主に韓国国内から批判の声が上がっています。ただ、強い批判は、ジャンボリーの誘致を決定したのが左派の文政権時代であったこと、開催地が左派の地盤の全羅北道のセマングムであり、運営の主体も全羅北道だったという、国内政治対立が背景にあるように見えます。

 

8年前の第23回ジャンボリーは山口県の山口きらら浜で開催されました。同じく7月末から8月の開催で、且つ会場が干拓地であったことも共通しているので、セマングム大会と何かと比較されています。多くの報道で、山口きらら浜での開催は成功していたと評価されているので、ちょっと気分がいいです。

 

写真で左側の赤いテントが目立つのが、今回のセマングム大会の会場です。右の青いテントが目立つのが8年前の山口大会です。まぁ、似ています。

 

主催した山口県(面積6千㎢・人口130万人)と全羅北道(8千㎢・人口180万人)も似たような規模の自治体です。会場も共に干拓地ですが、きらら浜(阿知須干拓地)がおよそ3㎢の規模に対して、セマングム干拓地は400㎢と広大(日本最大の干拓地:八郎潟170㎢)です。

 

成功と失敗を分けたのは、投入した資金とか人数とかでなく、事前の準備だったと思います。

 

山口大会では、前々年(2013年)にプレ大会として日本ジャンボリー兼アジア太平洋ジャンボリー(9日間・参加者1万3千人・うち海外から1500人)を開催するなど、予行演習をおこなっています。

暑熱への対策や、今回問題になった食事やトイレなどの方法も検討を重ねました。

 

さらに、プレ大会開幕(2013.7.31)の3日前(7月28日)に山口・島根豪雨が起こっています。山口市では1時間雨量143㎜を記録し、両県で死者4名、家屋の全半壊1500棟という災害でした。プレ大会で集まったスカウトたちも、被災地の片づけにボランティアとして参加しています。この経験から、本大会期間中に、会場が台風や豪雨に見舞われる可能性も十分に検討できていたと思います(なお、本大会12日間は連日35℃の猛暑でしたが、ほとんど雨は降らなかった)。

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今回の韓国大会で不運だったのは、新型コロナ感染症の影響で満足な予行演習ができていなかったことです。プレ大会は、前年(2022年)に1300人規模でおこない、直前の1月前に450人が参加したミニジャンボリーをおこなっただけということです。

これで、いきなり4万人を超える本大会を開催するのは、ちょっと無謀だったと思います。

 

何事も事前の準備をしっかりすることが大事です。