繰り返し言いますが、日本はカーボンニュートラルを達成します

脱炭素セミナーで「日本は2050年に間違いなくカーボンニュートラルを実現できる」と話しています。

 

どうも、カーボンニュートラルといってもピンと来ない人が多いです。というか、夢物語で本当にホンキで言っているのではないか?と疑う人も多いのです。安心してください。日本は2050年にカーボンニュートラルを実現できます。また、日本人はその国民性から、やりきっちゃいます。

 

カーボンニュートラルの道筋
カーボンニュートラルの道筋

日本のカーボンニュートラルの道筋は、よく使われる右の図で説明されています。

 

日本の温室効果ガスの排出はその84%がエネルギー由来の二酸化炭素です。つまり、「省エネ」が、カーボンニュートラルの最も重要な要素です。

日本の「省エネ」技術が世界最高レベルにあることは疑いがありません。いろいろな政策によって、省エネ技術の普及が進んでいます。

しかも、日本では少子化による人口減少や、重化学工業からサービス業へといった産業構造の転換もあって、エネルギー使用量は継続して減少しています。

 

二番目の要素である「非化石エネルギーへの転換」は、日本が最も苦戦する分野です。世界の非化石エネルギーのうち再生可能エネルギーの割合は、50%が水力・25%が風力・15%が太陽光・残りがバイオや地熱やその他もろもろです。

日本は地勢的にこれ以上の水力発電用ダム建設が難しく、現状のダムの活用度を上げるくらいしかできません。ユーラシア大陸の東側に位置する日本は、温帯モンスーン気候に属して風況が悪くて風力発電のポテンシャルも低いです。太陽光発電のパネルは、日照が少ないという不利を無視して大量に設置しましたが、災害リスクも考えると限界でしょう。その他の再生可能エネルギーも条件はとても悪いです。

 

但し、「非化石エネルギー」で実は最も大きなポテンシャルがあるのは原子力です。現在は国内外の反対運動によって原子力の活用が十分にできていません。しかし、これからは科学者たちがその合理性をきちんと開示して、社会を説得することで、原子力の利用は再開されてくるものと思います。

 

さて、三番目の要素である残存する炭素の貯留・回収ですが、ここに日本の最大の強みがあります。日本は可住地面積では世界で90番目、国土面積でも60番目の小さな国です。

ただ、可住地面積が小さいのは、裏返しで森林面積が大きい国(OECD諸国で日本より森林率が高いのはフィンランドとノルウェーだけ)ということです。しかも、二酸化炭素を吸収するのは面積でなく容積です。森林容積では日本は世界20番目くらいになる森林大国です。

 

さらに、日本は列島国家であり法的権利が及ぶ海洋の範囲は世界で6番目に広いのです。

カーボンニュートラルとはカーボンをどこに置くかということです。大気中ではなく、地中や水中に置く(留め置く)ことがテーマなのですから、自国の海が広いことはきわめて大きなポテンシャルです。

しかも、炭素の貯留や回収の技術開発では、日本が世界を圧倒的にリードしています。

 

世界のカーボンニュートラルの実現に、日本の役割はとてつもなく大きいです。中国や韓国とはレベチなんですが、残念なことは、日本人自体がそのことに気づいていないことです。