「なんとなく、デジタル」主演はマイナちゃん

マイナンバー(マイナンバーカード)のトラブルが続発しています。

 

何人かいる担当大臣さんは、トラブルの頻度が少ないかのような説明をしていますが、現実的には信頼性はほとんど無い状況です。他人名義の紐づけが数十万件とか、入力作業を委託した機関の2割で不適切な作業していたとか、さすがに、これほど酷いとは。もはや、常軌を逸していると言わざる得ません。

 

マイナンバー
マイナンバー

どうも、担当大臣さんは、皆さんがそれぞれで他人事のようです。岸田総理も、自身が実態が分かっておらず、腑に落ちているわけでもないだけに、オロオロするばかりです。

 

これまでの作業を総点検するとか、自治体の仕事を支援するとか、システム事業者を指導するとか、いろいろ言ってはいますが、自分の責任を全うするという意識は希薄で、あまり感じられません。まぁ、責任逃れに汲々としている印象です。

 

そもそも、マイナンバーの利便性についての説明をきちんとできる人は、ことここに至っても出てきません。

みんな、「なんとなく、デジタル」だから便利になるんだろうとか、デジタルに遅れている日本はダメな国なんだろうとか、印象論だけで右往左往しているように見えます。

 

1980年に田中康夫が「なんとなく、クリスタル」という小説を書きました。日本にモノがあふれ始めた時代です。キラキラするようなブランド商品が、若者たちの身近にやってきて、物質文明に押し流されはじめます。バブルへの階段を一足飛びに駆け上がる時代です。

映画の主演はかとうかずこ(東国原英夫氏の二番目の妻)でした。

 

あれから40年を経て「なんとなく、デジタル」です。クリスタルのブランド品に虚栄の匂いを感じて、ネガティブな印象を持ったとしても、そこにはモノという実態がありました。しかし、デジタルには実態がなく、手に取ること、触ること、匂いを嗅ぐこともできません。