財務省理財局はマネジメントの問題なのか?

国会の予算委員会で元財務省理財局長の佐川さんの証人喚問がありました。

 

ザ・ゴール
ザ・ゴール

佐川さんの証人喚問をラジオでぼんやり聞いていました。すると、「丁寧な答弁ができなかったのは、朝から晩まで連続して仕事をして,理財局は混乱していた」という趣旨の発言がありました。

財務省とはいっても、国有財産の処分を担当する部門なので、国会で何かを質問されることも殆どなかった。毎日100を超える質問に何日も対応することで、局内の職員が極度に疲弊していたということです。

 

この話を聞いて、思い出したのが「ザ・ゴール」です。この本は、我々世代のビジネスマンは必ず読んでいると思います。

日本では2001年に出版された本で、簡単に言えば「プロジェクトマネジメント」のノウハウが書かれています。

 

財務省などの官僚に限らず、日本式のマネジメントは、定型的な業務を効率よく・間違いを犯さずに実行するというマネジメントには優れています。仕事として、やることがすべて決まっていて、しかも定常的で繰返しおこなわれるような場合です。この場合は、役所のようなヒエラルキー型の組織は確かに効率的です。

証人喚問で何度か名前が出て、佐川さんが思わず呼び捨てにしてしまった田村室長ですが、佐川局長との間には3つの階級が存るようです。軍隊で言えば、佐川さんは少将で田村さんは大尉というわけです。

 

一方で、組織のマネジメントには「プロジェクトマネジメント」というのがあります。仕事して、やるべきことが曖昧で、しかも初めて経験することであり、チームとして取り組まなければ完遂できないような場合です。また、今後も同じ仕事に取り組むことは考えられません。

一般に、日本の組織・日本人経営者や管理職は、プロジェクトマネジメントには不向きと言われます。

 

「ザ・ゴール」が提示しているプロジェクトマネジメントのノウハウの第1は、書名の通り「ゴールの明確化」です。つまり、具体的で明確で誰にも理解できるゴールを設定することが重要です。これがないと、仕事はいつまでも終わりません。

マネージャは、ゴールを設定したら、どの方法(道)を取ってゴールに到達するのかを考えて決めます。パス・ゴール理論というもので、クリティカル・パスの発見に努めます。そのパス上の活動で最も弱いところ(制約条件)を補強し、成果への過程を阻害するリスクを評価して回避する方策を取ります。

 

特に大事なのは、関係する組織に対してプロジェクト達成への協力を取り付けることです。本来の定常業務の一部を一時的の他部門に任せる。逆に他部門からの依頼で協力しているような仕事は返す。他部門からプロジェクトに使える人材を借りてくる。などです。

ヒエラルキー型組織のステップを登るキャリア官僚には難しいのかも知れません。

 

と、ここまで書いてみたのですが、今回の場合は顧客である政治家の注文が、かなり無茶なので、具体的にゴール設定をどうするのか悩ましいところですね。午後の証人喚問をチラッと聞いて、マネジメントの問題だけでは無いかもしれないと考え直すようになってきました。

 

まるで、自動車会社に、必ず事故を起こす自動運転のクルマを開発してくれ、注文しているように感じます。しかも、この注文を断ることはできないのですから、やはり”すまじきものは宮仕え”なんでしょうかね。