新型コロナを機会に、リスクアセスメントを学ぶ

新型コロナによって、日本が・東京が・大阪が、社会機能を停止させようとしています。

 

日本には1億2700万人が住んでいるのですから、新型コロナの感染者数(実際はPCR検査での陽性者数)が1万人とか10万人とかになるのは驚くことでもなんでもありません。インフルエンザウイルスには毎年1000万人以上(多い年は3000万人)が感染しています。リスクアセスメントをするとどうなるのでしょうか?

 

リスクアセスメント
リスクアセスメント

リスクアセスメントというのは、発生の確率と被害の大きさという二つの要素を掛け合わせたものです。

 

それでは、感染症のリスクアセスメントをした場合に新型コロナウイルスのリスクの大きさはどのくらいなのでしょうか?

一般の社会生活を犠牲にして、経済的な自殺に突き進むほどの大きなリスクがあるのかという冷静な判断が必要でしょう。

 

感染症のリスクアセスメントでも、「発生の確率(感染性)×被害の大きさ(病原性)」というマトリックスで考えます。

 

先ず、感染性です。感染性は最近よくでてくる再生産係数(Rとする。大雑把に1人の人が何人に感染させるかとする。)であらわされます。武漢市で感染者数が大きく増えた初期段階にはRは5を超えていました。イタリアやスペインの一部地域で感染者数が大きく増えたときにはRが3~4となりました。日本の場合はR=1~2くらいのようです。同じコロナウイルスでも再生産係数は、その地域の情勢や環境によって異なります。

 

Rが1より小さければ感染者は減り、R=1なら現状維持で、Rが1より大きければ感染者は増えます。日本の季節性インフルエンザの場合はR≒2とされています。

仮に、新型コロナの場合もR=2とすればインフルエンザと同じように3000万人が感染するかといえば、もう一つの要素があります。それが潜伏期間と感染させる期間です。

 

インフルエンザは潜伏期間が短く、1~4日です。感染した人は直ぐに他の人に感染させることができます。仮に3日で感染させる(R=2)として計算してみると、1人の感染者が出れば75日後(2か月半)には1億2700万人(日本人全員)が感染している計算になります。インフルエンザの地域的な流行が数週間で起こる理屈です。

 

新型コロナの場合は潜伏期間が1~14日(多くは5~6日)とインフルエンザより長いです。感染が確認された人の8割が他の人に感染させていないというデータもあって、感染した人が次の人に感染させるには一定の期間が必要です。

仮に平均8日として、R=1.5で計算してみると、1人の感染者がいれば、感染者は30日後に約20人、60日後に約80人、90日後に約400人、180日(半年後)に約3万5千人になります。計算上の感染者数が日本の人口を超えるのは340日後(11か月)です。インフルエンザと比べると、ずいぶんゆっくりです。

 

ここで、インフルエンザが日本人全員感染せずに、感染者数が実際は1000~3000万人しかいないのは何故かといえば、集団免疫率というのがあるからです。

当初、イギリスやオランダ採用しようとしていた戦略ですね。簡単に言えば、再生産係数R=2であってもその集団にその感染症に免疫がある人(感染しても発症しない=他の人に感染させない)が50%以上いればその集団では感染は広がらないというわけです。これが、インフルエンザワクチンの予防注射をする理由の一つですね。

 

要するに、社会が感染者を管理することができて、重篤な症状にならないのであれば、感染を拡大させる(=免疫を持つ)ほうがよいというわけです。乳幼児のうちに風邪をひいておけば、大人になっても酷くならないというのと同じです。乳幼児はお母さんからもらった免疫が効いているのですが、成長によって失われるまでに自前の免疫をつくるのです。

 

新型コロナウイルスの場合は免疫を持っている人がまだ少ないと思われるので、最初の計算のように感染者が増えていくわけです。免疫を持つというのは、ワクチンがなければ感染するということとほぼ同じですから、新型コロナウイルスの感染者は増えていきます。

 

ところで、リスクの大きさは感染者の数だけでは決まりません。リスクの大きさは、「発生の確率(感染性)×被害の大きさ(病原性)」です。

 

日本人の多くは1年に数回は風邪をひきます。風邪の9割はウイルス感染ですから、仮に平均して1年に5回とすれば延べ6億人がウイルスに毎年感染して発症していることになります。

しかし、一般の風邪のウイルスは病原性が低いのであまり気にしません。葛根湯かルルかコンタックを飲んで寝ているか、クリニックで薬を出してもらって終わりです。

 

さて、新型コロナの病原性がどの程度かという問題です。この部分の説明が無いのが大きな問題です。最も信頼できる話は「季節性インフルエンザよりは大きいようだ」です。

しかし、日本では最初の死者が出てから45日ですが死亡例は46人、既往症のある高齢者に限られています。また重症患者も56人に過ぎません。インフルエンザの万人単位と比べると圧倒的に少ないです。

 

そもそも感染症の致死率を正確に出すことは難しいです。

日本の致死率を、新型コロナ関連死者数46人÷PCR陽性者1349人=3.4%としてよいわけはありません。死亡した全員でその主因が新型コロナというわけでもありませんし、実際の感染者数はもっと多いはずです。致死率が計算できるまでサンプル数が増えるには、時間がかかります。インフルエンザの場合でも、感染者数もインフルエンザによる死亡者数も把握できるわけではないので、統計的な処理で0.1%と計算されているだけです。

 

現時点で、統計処理できるほどのサンプル数があるのは(信頼性は不詳ですが?)中国だけです。公表されている死者数を感染者数で割ると、湖北省の致死率は4.6%、湖北省を除く中国本土は0.8%になります。但し、中国ではPCR検査陽性でも無症状の人を感染者に含めていないということも知られていて、最新の報告では新型コロナの致死率は湖北省で1.4%、湖北省を除く中国本土で0.22%だそうです。

 

同じウイルスですが、致死率はその国や地域の衛生環境や医療環境、それに年齢構成などで異なります。最終的に日本での致死率がインフルエンザの0.1%をどの程度超えるのかは不明ですが、それほど大きく超えることはないように思います。個人的な感想としては、厳戒態勢の中国本土よりも普段の日本のほうが環境がいいと思います。日本の場合、致死率は最大でも中国本土の0.22%を超えず0.2%くらいではないでしょうか?

 

まとめると、季節性インフルエンザと比較して感染性は低いが集団免疫がないので感染者数が増える可能性がある。爆発的というかどうかはわかりませんが、指数関数的には増えます。

病原性は季節性インフルエンザと比較すれば高い可能性もあるが、日本のように欧米諸国と比較しても数倍の医療資産を世界最高水準の医療技術の国では著しいというほどではない。

私なりのリスクアセスメント「発生の確率×被害の大きさ」では、季節性インフルエンザを超えるリスクであっても、それほど大きくはないように思います。

 

世界は自ら死地に向かって歩み続けるように思えます。「ハーメルンの笛吹き男」ですね。その先に残るのは習近平さんの中国になりそうです。ここらで、トランプさんの蛮勇に期待しているのは、私だけでしょうか?